目次
コーチングの価格設定は、コーチの経験・専門分野・提供するサービスの内容などによって大きく異なるため、「一概に価格を決めるのは難しい」と感じる方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、日本のコーチング価格の相場・価格を決める際のポイント・納得感のある価格設定の工夫などを解説します。
記事の最後には、自己投資としてのコーチングの価値にも触れているのでぜひ最後までご覧ください。
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ウェルビーイング診断は、クライアントの「心理的・社会的・身体的に満たされた状態」であるウェルビーイングを、数字とグラフで可視化します。
コーチングの前後での変化を定量的に示すことで、クライアントが自分の変化を客観的に把握しやすくなる点もメリットの一つです。客観的な視点が、クライアントの自己認識の深まりやモチベーション向上などにつながります。
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ウェルビーイング診断はこちらコーチング価格の相場は1〜3万円
日本のコーチング価格相場の目安は、下記のとおりです。
・一般の方 1〜3万円
・上場企業の社長 20〜50万円(エグゼクティブコーチング)
コーチングの価格は、さまざまな要素によって幅広く設定されています。
次に、コーチングの価格設定に影響を与える主な要素を下記に挙げてみました。
・コーチの経験と実績
・コーチングの内容
・コーチング期間
・コーチの所属団体 など
この他にも「オンラインか対面」か、「短期集中型か長期的な伴走型か」などで違いがあります。また、ICF(国際コーチング連盟)などの認定を受けているコーチは、価格設定が高くなる傾向があります。
世界に目を向けてみると、コーチングから得た年間収益は、地域ごとに大きな差があることがわかりました。(ICFによる調査)
出典:2020 ICF Global Coaching Study
米ドルで計算すると、平均所得は北米・西欧・オセアニアなどコーチング文化が確立された市場で高くなっています。
また、世界的な傾向として2015年から2019年の間にコーチングによる年間総収入は21%増加しており、コーチング市場が拡大している状況は明らかです。(ICFによる調査)
出典:2020 ICF Global Coaching Study
コーチング市場においては、北アメリカが全体の45.5%と最も大きなシェアを占めています。一方で日本のコーチング市場は、アメリカに比べて1/20ほどしかありません。
しかし今後、多様化する働き方や自己実現を求める人々の増加を背景にコーチングの需要が高まり、日本におけるコーチングの相場も上昇すると予想されます。
コーチング価格設定の5つのポイント
本章では、コーチング価格を設定する際の主なポイントを5つ紹介します。
ポイントを押さえて、ご自身のコーチングの価値を最大限に引き出せるような価格設定の資料にご活用ください。
ポイント1.自分の経歴と実績を反映する
コーチ自身の経験と実績は、価格設定において重要な要素の一つです。
例えば、下記のような項目でわかりやすく示してみましょう。
【アピールポイントの提示例】
アピールポイント | 実績の例 |
---|---|
具体的な実績(数字) | ・〇〇年間のコーチング経験 ・〇〇人のクライアントの目標達成 ・クライアントのウェルビーイング指数を〇〇ポイント向上 など |
専門知識やスキル | ・〇〇分野の専門知識とコーチングをかけ合わせている ・認定資格取得 など |
価格設定の根拠 | 「長年の経験と実績から、より質の高いコーチングを提供できるため、他のコーチよりも高めの価格設定となっています」 など |
実績が豊富なほど高い価格設定が正当化され、クライアントも価値を認識しやすくなります。
ポイント2.クライアントの状況に合わせる
ターゲットとなるクライアントの経済的な状況に応じた、柔軟な価格設定もポイントの一つです。ここでは、具体的な方法を2つ紹介します。
状況1.クライアントが求める成果に焦点を当てる
クライアントが目標とする成果に焦点を当て、成果がもたらす価値に見合った価格を設定する方法です。
例えば、「年収を100万円アップさせたい」という目標を持つクライアントの場合で考えてみましょう。
半年間のキャリアコーチングで目標達成をサポートし、その結果クライアントの年収が100万円アップすれば、初期費用に見合う成果をもたらしたと評価できます。この場合、半年プランの価格を40万円〜100万円と設定するのが妥当です。
高額と思えるコーチング費用でも「自己成長」と「収入増加」という目に見える成果によって、投資額が「決して高くはない」とクライアントに実感してもらうことがポイントです。
状況2.クライアントの経済状況に合わせる
次は、クライアントの経済状況に合わせる方法です。
例えば「新卒入社1〜3年目の社員向けコーチング」と「経営者向けのコーチング」では、提供するサービスの内容や求められるスキルが異なるため、価格設定も変える必要があります。
市場調査会社である株式会社アスマークが、2021年に実施した「ビジネスの自己投資に関する調査」では、自己投資に費やす月の平均金額は、約半数の人が「1万円未満」と回答しています。一方、部長クラス以上の役職にある人の多くは、月に「5万円以上」を自己投資に費やしていることがわかりました。
【自己投資に費やす月間の平均金額】
出典:ビジネスの自己投資に関する調査 – 【公式】| 市場調査・マーケティングリサーチ会社のアスマーク
実は、所得の10%〜15%を自己投資に回すのが良いという説もあります。手取り20万円のクライアントなら2万円、30万円なら3万円など、クライアントの月収から逆算した金額を、コーチング価格の目安にするのも一つの方法です。
ポイント3.競合他社の相場をリサーチする
市場の相場リサーチは、価格設定に必要です。
他のコーチングサービスの料金体系の調査も必要ですが、調査結果をそのままコピーすればいいわけではありません。自身のサービスが提供する付加価値を考慮し、市場とのバランスを取りながら価格を設定するのがポイントです。
そのためにも、普段から自分ならではの強みを明確にして、強みを活かした価格設定を実施するようにしましょう。
なお、ICFが実施した調査「2020 ICF Global Coaching Study」では、93%のコーチは、「コンサルティング」や「カウンセリング」などの追加サービスを提供していると報告されています。
ポイント4.自分のコーチングブランドの価値を考える
コーチングの種類や特色も、価格設定に影響を与えます。
例えば、実績のある有名なコーチング流派の認定コーチであれば、高い料金設定が可能です。コーチングブランドの立ち位置を明確にし、特色を価格に反映させることで、ターゲットとなるクライアントに適切な価値で提案をしてみましょう。
また、過去のクライアントや同じ価値観を持つ人たちとのコミュニティを作り、ブランド力を高めると、さらなる信頼獲得や認知の獲得が期待できます。
ポイント5.継続的に価格を見直す
市場環境や自身のスキルアップ、提供するサービスの質の向上などに応じて、定期的な価格の見直しも欠かせません。
下記の要素を参考に、必要に応じて価格調整を実施してみてください。
・物価の上昇
・競合他社の価格変動
・自身のスキルアップ
・クライアントからのフィードバック など
定期的な見直しを実施すると、常に適正な価格でサービスを提供し続けられるため、クライアントからの信頼保持にもつながります。
コーチング料金が高いと言われる3つの理由
本章では、コーチングの料金が他の教育やサービス業と比べて高価だ、と言われる主な3つの理由を解説します。
コーチングの料金が高い具体的な理由を知ることで、改めてコーチングが提供する価値の認識の深まりにつながります。
理由1.コーチングの専門性が高い
コーチングサービスが高いと言われる一因は、提供される専門性の高さにあります。
多くのコーチは、国際的な認定資格やトレーニングプログラムを受けています。
またコーチングはアドバイスや情報提供にとどまらず、クライアントの潜在能力を引き出し、目標達成をサポートする高度な専門性が必要とされるサービスです。一人ひとりのクライアントに合わせた、オーダーメイドのサービスと言っても過言ではありません。
例えばキャリアコーチングでは、業界の動向やキャリアパスの設計に関する専門的なアドバイスが求められるため、コーチ自身が業界をある程度把握していることが望ましいです。
高度な専門性がコーチングの価値をさらに高めるため、多くのクライアントから信頼されるようになり高評価につながる期待がもてます。
理由2.クライアントの目標達成につながる
さまざまなバックグラウンドを持つクライアントに対し、目標達成に向けて主体的に取り組めるよう支援するのがコーチングの要素の一つです。
具体的には、行動計画やモチベーションの維持・直面する課題などクライアントのニーズにに寄り添い支援していきます。支援の結果、クライアントの目標達成率の向上が見込まれることから相応の価値が設定されています。
結果がともなうため、クライアントがコーチングの価値に見合った高い料金を支払うことも珍しくありません。
コーチングを企業戦略に組み込み、成功を収めている企業の紹介や成功の秘訣を知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
海外トップ企業のコーチング事例紹介!成功の秘訣を探る
この記事では、Google、Microsoft、IBM、Netflixなどのトップ企業がなぜコーチングを事業戦略に組み込んでいるのかということ、そしてコーチングがどのように組織の力を最大限に引き出し、業績を向上させているかを解説しています。
記事掲載日:2023年5月16日
理由3.コーチ自身の経験が豊富でスキルが高い
経験豊富なコーチは多くのクライアントをサポートしてきた実績があり、培った知見を活かして、より効果的にコーチングを提供しています。
コーチが積み重ねた成功事例は、クライアントに信頼感を与えコーチングへの期待を高める要素の一つです。
また、自身の継続的な学習と自己成長を追求するコーチほどサービスの質は高まり、料金に反映されるといえます。
納得感のある価格設定にする3つの工夫
コーチングサービスの価格設定は、「クライアントが納得感を持って受け入れられる」ような工夫が大切です。本章では、3つの工夫を紹介します。
詳しく見ていきましょう。
工夫1.試験的なセッションを提供する
コーチング体験が初めての人に向けて、まずは気軽に体験できるような試験的なセッションを用意します。具体的な例は下記のとおりです。
【気軽に体験してもらう取り組み例】
無料相談 | 初めてのクライアントに対して無料で相談に乗る時間を設け、お互いの相性やサービスへの理解を深める |
---|---|
体験セッション | ・短時間の体験セッションを設け、コーチングの雰囲気や自分のサービスを実際に体験してもらう ・体験を通じて顧客の不安を解消し、購入へのハードルを下げる |
トライアル期間 | 一定期間、割引価格でサービスを提供するトライアル期間を設け、顧客に安心してサービスを試してもらう |
柔軟にプランを調整することで、クライアントは自分のニーズに最適なサービスを得られると感じ、価格に対する納得感が高まります。
工夫2.クライアントの目標に合わせた柔軟なプランを提案する
すべてのクライアントが同じサービスを必要としているわけではないため、クライアントの目標や予算に合わせて、柔軟なプランを提案するのも工夫の一つです。
例えば、下記のようなプランがあります。
・短期でキャリアアップを目指すクライアントには、集中的なセッションを短期間で提供するプラン
・長期的な自己成長を望むクライアントには、長期間にわたるサポートプラン など
また、 複数のサービスを組み合わせた「パッケージプラン」で、より高い価値を提供できる方法もあります。
【パッケージプランとは】
「目標設定サポート」「定期的な進捗確認」「スキルアップのためのワークショップ」といった、本来別々に提供されるサービスを一つにまとめ、よりお得な価格で提供するようなイメージ
工夫3. コーチングの価値を可視化する
コーチングの価値を、クライアントに正しく理解してもらえるような工夫もしましょう。そのためにも、具体的な成果や進捗を可視化するツールや方法を用いるのがおすすめです。
コーチングを受ける前と後での変化を比較・可視化することで、コーチングの価値の正しい認識につながります。
コーチングの成果を可視化するなら、株式会社メタメンターが提供する「ウェルビーイング診断」がおすすめです。
ウェルビーイングを心理的側面から測定するツールはよくありますが、「ウェルビーイング診断」は、「心理的、身体的、社会的」3つの側面を網羅的に診断できるツールです。
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コーチングの前後で測定することで、「どのように変化したのか?」という効果が定量的に可視化できます。
【クライアントの変化を見える化】
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具体的な改善点や支援が必要な領域が可視化されるので、ウェルビーイングの状態が客観的に把握でき、目標達成への効率的な支援へとつながります。
ウェルビーイングと行動分析学を研究されている、早稲田大学人間科学学術院大月教授(臨床心理士・公認心理士)が監修し、信頼性のある「ウェルビーイング診断」は下記のボタンから気軽にお試しください。
コーチングやカウンセリングの効果を可視化!
ウェルビーイング診断はこちらさらにコーチングの可視化について理解を深めたい方は、下記の記事もチェックしてみてください。
コーチングの可視化って?課題解決につながる3つの理由やツールを紹介!
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記事掲載日:2024年7月30日
価格設定が高めと低めのコーチングの違いとは?
本章では、価格設定が高めと低めのコーチングの違いを解説します。
【価格設定が高めと低めのコーチングの違い】
価格設定が高めのコーチング | 価格設定が低めのコーチング |
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余談として、ICF(国際コーチチング連盟)が定期的に実施している大規模な調査によると、コーチングの経験年数とクライアント数はリンクしていることがわかりました。
具体的には、経験が10年以上のコーチには平均してクライアントが15人いるのに対し、経験年数が1年未満のコーチは6人という結果が出ています。
出典:2020 ICF Global Coaching Study
長い時間をかけてクライアントと信頼関係を築いた結果、ビジネス拡大にもつながっているという一つの例と言えそうです。
【補足】自己投資としてのコーチングの価値
最後に、自己投資としてのコーチングの価値を紹介します。
コーチングは、より良い自分へと成長するための具体的な行動を促すためのツールです。自己投資としてコーチングを受けることで、下表のようなさまざまな価値が得られます。
【クライアントがコーチングセッションで得られるメリットの例】
キャリアの加速 | ・キャリアの選択や職場でのパフォーマンス向上に役立つ ・自己実現の速度を加速させ、より高い成果を達成できるようになる |
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自己認識の向上 | ・自分自身の強み・弱み・価値観・動機付けが明確になる ・効果的な目標設定や意思決定が行えるようになり、自己認識が向上する |
関係性の改善 | ・人間関係のスキルを高め、職場や家庭での関係が改善できる ・良好な人間関係は、仕事の効率だけでなく、個人の幸福感にも影響する |
自己効力感の向上 | ・チャレンジに立ち向かう自信が育つ ・困難に直面した際に前向きな姿勢で取り組む力が身につく |
投資対効果 | ・コーチングによって獲得するスキルやパフォーマンスの向上は、長期的に見て収入増加や職業的成功につながる ・初期の投資が高く感じられる場合でも、リターンは自己投資として価値がある |
コーチングが与える、「心も体も健康で、幸せな状態であるウェルビーイング」への効果について詳しく知りたい方は下記の記事をご確認ください。
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記事掲載日:2024年7月16日
また経営者に適したコーチングを選ぶ際には、コーチの資質と経営者との相性だけではなく、コーチングプログラムの目的と内容の確認や投資対効果、費用の概算などもチェックしましょう。
コーチングの選び方を詳しく知りたい方は、下記の記事もチェックしてみてください。
経営者がコーチングを受けるメリットとは?効果やコーチの選び方などを解説
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記事掲載日:2024年7月8日
まとめ:適正なコーチング価格を設定して、信頼関係を築こう
今回は、適正なコーチング価値を設定するためのポイントや、納得感のある工夫などをお伝えしました。
【コーチング価格設定のポイント】
1.自分の経歴と実績を反映する
2.クライアントの状況に合わせる
3.競合他社の相場をリサーチする
4.自分のコーチング流派のブランド価値を考える
5.継続的に価格を見直す
クライアントとの信頼関係の構築のためにも、納得感のある価格設定とサポートでコーチングの価値を最大化していきましょう。
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記事監修
代表取締役社長 小泉 領雄南
2011年にGMOペイメントゲートウェイ入社。2016年にGMOフィナンシャルゲート執行役員に就任し、2020年に上場。2021年、早稲田MBA在学中にコーチングに出会い、翌年メタメンター設立。2023年に国際コーチング連盟日本支部運営委員に就任。