WELLBEING MAGAZINE

ウェルビーイング指標とは?5つの測定方法の特徴と活用法を解説

コラム

記事掲載日:2024年4月30日 
最終更新日:2024年5月22日

ウェルビーイング指標とは、心も体も健康で、幸せな状態である「ウェルビーイング」を測定するための尺度です。

近年ウェルビーイングは、国連が各国に幸福(ウェルビーイング)の計測を推奨したり、日本で中長期の経済財政の評価指標として採用されたりして、注目を浴びています。

そこで本記事では、ウェルビーイング指標の種類や計測方法、効果的なウェルビーイング指標の活かし方などを解説していきます。

今後ますます浸透するであろう、ウェルビーイングの指標を正しく理解して、クライアント支援や企業の組織づくりに活かしましょう。

ウェルビーイングの可視化は、現状の把握や施策の妥当性の判断に役立ちます。当サイトでは、ウェルビーイングの状態を可視化できるサービスを提供しています。診断は無料なので、詳しくは下記からお気軽にご利用ください。

たった5分で完了!診断は無料!

ウェルビーイング診断はこちら

日本のウェルビーイングの現状

ウェルビーイングとは心理的、社会的、身体的に満たされた状態のことです。

2024年3月20日に発表された世界幸福度ランキング(※)で日本は143カ国中、51位で、前年の47位から4ランクのダウンとなりました。

(※)【世界幸福度ランキングとは】

毎年、3月20日の「国際幸福デー」に国連の関連機関が実施している。各国のおよそ1000人に、生活評価(生活に関する幸福度の評価)を0〜10までの11段階でおこなってもらう。 さらに、過去3年間の生活評価の平均を元にランキングが決定する。2024年は143カ国を対象に実施した

参考1.:United Nations「International Day of Happiness」

参考2.:ユネスコ「国際幸福デー(3/20)」

ランキング首位で得点が7.741点のフィンランドに対し、日本は6.060点と、先進7カ国(G7)のなかでは最低を記録してしまいました。今年のランキングの特徴として、下図のように日本の若年層の幸福度が73位、63位と相対的に低いことが挙げられます。

【世界143カ国からみた日本の年代別幸福度順位】

全体 51位
30歳未満 73位
30〜44歳 63位
45〜59歳 52位
60歳以上 36位

このことから、日本のウェルビーイングの現状は、特に「若年層を中心とした生活満足度の向上」が社会的な課題といえます。若年層のウェルビーイングを向上させ心身ともに健康な状態を目指すためにも、教育や就労、メンタルヘルスサポートなど多方面での改善に取り組む必要があります。

また、全世代において社会的な結びつきの強化も、国全体のウェルビーイングを向上させる鍵となりそうです。

ウェルビーイング指標とは

ウェルビーイング指標とは、個人や集団の幸福感・満足度・生活の質・健康状態など、「幸福を測定するための物差し」のことです。

経済的な豊かさだけでなく、心理的・社会的・物理的豊かさや人々の主観的な幸福感や満足度、健康状態などを総合的に評価します。物質的な豊かさだけでなく、精神的な充実感の目安として活用できるウェルビーイング指標は、一人ひとりが自分らしく幸せに生きられる社会の実現に向けて、欠かせない要素です。

次の章では、ウェルビーイング指標の種類について具体的に紹介します。

ウェルビーイングを測る5つの指標

ウェルビーイング指標には、下記のような5つの種類があります。

  1. 1.ギャラップ社が定義した指標
  2. 2.PERMAモデル
  3. 3.世界幸福度ランキング
  4. 4.地域幸福度指標
  5. 5.OECD(経済協力開発機構)の指標

種類1.ギャラップ社が定義した指標

ギャラップ社とは、アメリカで世論調査やコンサルティングをはじめ、人材開発にも注力している企業です。ギャラップ社が定義した指標は、主に「企業の従業員ウェルビーイング測定」に用いられます。

ギャラップ社で計測しているのは、5つのウェルビーイング指標です。

【ギャラップ社が定めるウェルビーイングの指標】

要素 指標
Career Well-Being(キャリア) ・自分の仕事を心から楽しみ、毎日の仕事に夢中になれるかどうか。
・自分の仕事に意味を見出し、自己実現につながっているか
Social Well-Being(社会的) ・家族や友人と質の高い関係が築けているか
Financial Well-Being(経済的) ・経済的な安定と安心を持って生活できているか
Physical Well-Being(身体的) ・定期的な運動、適切な栄養摂取、十分な休息といった身体的健康の維持ができているか
Community Well-Being(コミュニティ) ・自分が属する地域社会で、安全で満足のいく環境で生活し、地域社会への貢献を通じて満足感を得られているか

参考:ギャラップ社「Employee Wellbeing Is Key for Workplace Productivity」

ウェルビーイングは、従業員の幸福と生産性の向上に向けた組織的な取り組みを導くための有力なツールとなり得ます。

種類2.PERMAモデル

2つ目の指標は「ポジティブ心理学」の父といわれるセリグマン博士が2011年に提唱した「PERMA」です。PERMAは、ウェルビーイング状態の概念として考案されました。個人の支援や教育現場、職場など、さまざまなシーンでウェルビーイングの測定に用いられています。

【 ウェルビーイングPERMAモデル】

要素 指標
P(Positive emotion) 明るい感情
うれしい・おもしろい・楽しい・感動・
感激・感謝・希望など
E(Engagement) 物事への積極的な関わり
没頭・没入・夢中・熱中など
R(Relationship) 他者とのよい関係
援助・協力・意思疎通など
M(Meaning) 人生の意義の自覚
人生の意義・社会貢献・利他行為・宗教など
A(Accomplishment) 達成感
達成・成果・自己効力感など

※参考:青山学院大学 情報メディアセンター「PERMA / ポジティブ心理学: ウェルビーイングの状態とは?」

「PERMA」の5大要素を追求することで、ウェルビーイングを高められると考えられています。なお金沢工業大学のサイトでは、PERMAが測定できます。

種類3.世界幸福度ランキング

3つ目の指標は、世界幸福度ランキングです。

世界幸福度ランキングとは、国連の持続可能な開発ソリューションネットワーク(SDSN)が毎年3月20日の「国際幸福デー」に合わせて発表しているランキングデータのことです。主観的幸福度を調べるためのキャントリルラダー(Cantril ladder)と呼ばれる調査方法に沿って、世界195ヵ国で実施されます。

下記6つの項目に対して、自分の幸福度がどのくらいなのかを0〜10の数値でアンケートをとり、平均値をランキングとしています。

【幸福度を決定する6つの項目】

出典:世界の幸福度ランキング

ちなみに前述のとおり、2024年の調査で日本は143カ国中、51位でした。

種類4.地域幸福度指標

4つ目の指標は、地域幸福度指標です。

地域幸福度(Well-Being)指標とは、デジタル庁によると、下記のように定義されています。

【地域幸福度指標とは】

地域幸福度(Well-Being)指標とは、市民の「暮らしやすさ」と「幸福感(Well-being)」を数値化・可視化する指標です。

参考:デジタル庁「デジタル田園都市国家構想実現に向けた地域幸福度(Well-Being)指標の活用」

特徴として、下図のように「主観と客観を使いウェルビーイングという観点で街づくりをおこなう」点が挙げられます。

【地域幸福度(Well-Being)指標の構成】

出典:一般社団法人スマートシティ・インスティテュート「地域幸福度(Well-Being) 指標」

地域幸福度(Well-Being)指標の構成は下記のとおりです。

  1. ・地域における幸福度・生活満足度を測る4つの設問
    ・3つの因子群(生活環境・地域の人間関係・自分らしい生き方

近年、さまざまな自治体で地域幸福度指標を用いた取り組みが実施されています。

なお具体的な取り組みの詳細は、後述の【地域社会】街づくりに活かすで紹介しています。

余談ですが、国連のウェルビーイング委員も務める南雲岳彦氏によると、地域幸福度指標を活かしての街づくりにおいて、日本は最先端とのことです。

なお、指標の目的は優劣の比較やランキング付けではありません。「心ゆたかな暮らし」と「持続可能な環境・社会・経済構築」のために、それぞれの地域の特徴を活かし使用することを押さえておきましょう。

種類5.OECD(経済協力開発機構)の指標

最後はOECD(経済協力開発機構)の指標です。

OECDの指標とは、経済協力開発機構が発表した各国の国民の幸福度を測定するための指標で、「より良い暮らし指標(BLI)」 といわれています。

より良い暮らし指標は、暮らしの11の分野について、OECD加盟37カ国とブラジル、ロシア、南アフリカを加え、合わせて40カ国の指標を比較できる指標です。下表に詳細をまとめました。

【より良い暮らし指標の要素と元となるデータ】

構成要素 元となるデータ
住居 一部屋あたり人数、家に水洗トイレがない人の割合
収入 家計可処分所得、家計金融資産
雇用 就業率、長期(一年以上)失業率
共同体 困ったときに頼れる親戚、友人がいると
回答した人の割合
教育 高校修了者の割合、15歳児の読解力
環境 大気汚染
ガバナンス 立法過程の透明性、投票率
健康 平均寿命、自分の健康状態が良い、大変良いと回答した人の割合
生活の満足度 生活の満足度の自己評価
安全 人口あたりの殺人件数、過去12ヵ月に犯罪に巻き込まれた人の割合
ワークライフバランス 長時間(週50時間以上)勤務者の割合、義務教育課程に在学中の子どもを持つ母親の就業率、余暇や個人的活動(睡眠、食事)にあてた時間

参考:OECD「Better Life Index (BLI) より良い暮らし指標」

かつては、国の豊かさは国内総生産(GDP)で測られていました。しかし、経済成長したときに、より幸福が高まるかといわれると必ずしもそうではないという矛盾が「より良い暮らし指標」の興味深い点といえます。

ウェルビーイング指標の測り方

ウェルビーイング指標の測定方法は、主に以下の2つです。

  1. 1.世論調査・アンケートの使用
  2. 2.ツールの使用

一つずつ解説していきます。

1.世論調査・アンケートの使用

ひとつ目の方法は、世論調査やアンケートを使用する測り方です。

調査の際には「目的ごとに内容を変える」と、より正確なデータが取りやすくなります。例えば、下記のように目的別にウェルビーイング指標の種類で紹介した指標を参考にするのがおすすめです。

【アンケートの目的と参考にする指標】

目的 内容
街づくりに活かしたい ・デジタル庁が推進しているダッシュボードを参考にする

・主観的と客観的な視点を入れる

従業員のウェルビーイング向上に役立てたい ギャラップ社が定義した指標を参考にする
支援者の自己成長と目標達成 主観的な幸福度を調べるためのキャントリルラダーを参考にする

2.ツールの使用

もう1つの測定方法は、ツールの使用です。ウェルビーイング指標の測定に役立つツールには下記のようなものがあるので参考にしてみてください。

【ウェルビーイング指標の測定に役立つツール】

ツール名 特徴 料金
幸福度診断Well-Being Circle 健康診断のように、幸福度に影響すると考えられている指標を網羅的に計測できる 無料
ウェルビーイングノート ・防医学の専門家である石川善樹氏が監修
・従業員のコンディションを可視化できる
・10個の設問から1日1回ランダムに1問が従業員に提示する
50ユーザ
300,000円〜(年間)
ウェルスコア ・ウェルビーイングを可視化する組織診断サービス
・ウェルビーイング経営の専門家である森永雄太教授 が監修
ウェルスコアLightを無償提供中
※200名以上を対象にアンケートを実施する企業対象
はたらく人の幸せ/不幸せ診断 ・仕事をする上での幸せや不幸せに影響する7つの要因を測定できる
・パーソル総合研究所と「幸福学(幸福経営学)」を提唱している慶應義塾大学の前野隆司教授が共同研究
無料
ウェルビーイングタイプ診断 ・従業員が自分の価値観や嗜好性を把握できる
・ウェルビーイング経営を目指す組織改善調査サービスラフールサーベイが提供(ラフールと博報堂ミライの事業室が共同開発)
ラフールサーベイ導入企業の従業員は無料

なおメタメンターでは「心理的・社会的・身体的と3つの側面からウェルビーイングを可視化」できる診断ツールを提供しています。

無料で診断が受けられるため「まず自分が診断サービスを受けてみたい」方にも最適です。下記のボタンをクリックのうえ、気軽にお試しください。

>>>ウェルビーイング診断はこちらから!

【対象別】ウェルビーイング指標の活かし方

ここではウェルビーイング指標の活かし方を「3つの対象別」に紹介します。

  1. 【個人】個人支援者(クライアント)の課題解決に活かす
  2. 【従業員】従業員のウェルビーイング向上に活かす
  3. 【地域社会】街づくりに活かす

ウェルビーイング指標をポイントを絞って活用することで、より健康で幸せな社会の実現が期待できます。

【個人】個人支援者(クライアント)の課題解決に活かす

ウェルビーイング指標は、コーチングのシーンにおいて個人のウェルビーイングの課題解決にも活かせます。なぜなら、ウェルビーイングにおいて「客観的な指標」によるアセスメント(人や物事を客観的に評価・分析すること)は非常に大切だからです。

個人の主観的な幸福度の評価だけではなく客観的な指標で評価することで、支援者への理解が深まりより多面的で効果的な支援プランが立てられます。「アセスメント、支援プラン立案、実施」の循環にウェルビーイング指標を活用することで、ウェルビーイングの正確な理解と効果的な支援が可能です。

さらに、ウェルビーイングを可視化できるツールと組み合わせることで「ウェルビーイングに肯定的な影響を与えたアクション」が明確になり、支援の再現性を高められるというメリットが見込めます。

【従業員】従業員のウェルビーイング向上に活かす

従業員のウェルビーイング指標を分析して活かすことで、ストレスの少ない職場環境を構築し、従業員の仕事の満足度や生産性の向上を目指します。

下記は、ストレスの少ない職場環境構築に向けた取り組みの一例です。

【ストレスの少ない職場環境構築に向けた取り組み例】

  • 職場内での健康促進
  • 1on1など話す機会をつくる
  • ワークライフバランスの推奨

心理学者のソーニャ・リュボミルスキー氏、ローラ・キング氏、エド・ディーナ氏らの論文では、従業員が幸せな状態で仕事をした場合、生産性31%アップ・売り上げ37%アップ・創造性が3倍になると発表されています。

【幸福な状態とパフォーマンスへの影響度】

参考:American Psychological Association 「The Benefits of Frequent Positive Affect: Does Happiness Lead to Success?」

下記の記事では、従業員のウェルビーイングを向上するメリットや方法などを詳しく解説しています。併せてご覧ください。

従業員エンゲージメントを高める方法とは?メリットと取り組み事例を解説

従業員エンゲージメントは、企業の業績や従業員の定着率などに影響を与えます。自社の従業員エンゲージメントを高めるには、課題に合った取り組みを行うこと、ウェルビーイング診断を活用した現状把握や施策の評価を行うことが重要です。

記事掲載日:2024年4月30日

【地域社会】街づくりに活かす

これまでの街づくりでは、街全体で目指すべき大切な考えが明確にされておらず、計画や取り組みが十分につながっていない点が課題になりがちでした。

そこで効果的なのが「客観指標」と「主観指標」のバランスがとれた地域幸福度指標を利用することです。これにより「行政視点」ではなく「住民の視点」に立った施策の立案ができます。

「住民の暮らしやすさや幸福感につながっているか」を確認しながら行政の取り組みが進められるため、本質的な地域のウェルビーイングの向上が図れます。

下記の図は、富山県の街づくりの取り組み例です。「どういう人」の「どういう実感」を向上するのかをポイントに県政の重複や抜け漏れを防ぎ、連携の促進につなげています。

【県民を起点とした効果的な政策例】

出典:富山県「さあ、みんなで考えよう!ウェルビーイング」

ウェルビーイング指標の活用で、課題に対して県政のリソースを最大限に活かせると同時に、県民にとっても県政が身近に感じてもらいやすくなるというメリットも期待できます。

次の章で、支援対象者のウェルビーイングを可視化できるサービスについて詳しく解説しているので、ご覧ください。

ウェルビーイングを可視化できるサービス

メタメンターでは、ウェルビーイングを可視化できるウェルビーイング診断を提供しています。

ウェルビーイングを心理的側面から測定するツールはよくありますが、本サービスのように「心理的、社会的、身体的」3つの側面から網羅的に明らかにできる診断サービスは多くありません。

【メタメンターによるウェルビーイング診断の特徴】

信頼性 早稲田大学人間科学学術院 大月教授(臨床心理士・公認心理士)が監修
簡便性 直感で回答できる(5分以内)ため、回答者への負担が少ない
網羅性 対人支援サービスや福利厚生の刷新などの前後で測定することで、どのように変化したかがわかりやすい

ウェルビーイングが可視化できることにより、対人支援や従業員のウェルビーイング向上への取り組みの影響が測れます。

ウェルビーイング診断を監修した早稲田大学の大月教授が本サービスの特徴について下記の動画で詳しく解説しています。

ツールの利用で人間性のすべてが明らかになるわけではありません。しかしウェルビーイングを可視化することで、ブラックボックス状態からのスタートではなくなります。支援者や従業員の気持ちや課題を理解するための大きな手がかりが得られるので、ポイントを押さえた支援を可能にします。

支援者や従業員にウェルビーイング診断を提供したいとお考えの方は、下記のボタンから気軽にお問い合わせください。

>>>ウェルビーイング診断はこちらから!

ウェルビーイング指標を活かして幸福度を上げよう

心も体も幸せな状態である「ウェルビーイング」を測定するための基準となる、ウェルビーイング指標について解説してきました。ウェルビーイングの改善には、データの数字を改善のための手がかりとして捉え、目的に沿って具体的な行動に移すことがおすすめです。

さらに、ウェルビーイングを可視化できるツールと併せることで現状の把握がしやすくなるので、個人や組織、地域が直面している課題をより正確に把握できます。

現状把握をした後は、目標に向けて具体的な施策立案が可能です。効果検証を行いながら、さらなるウェルビーイングの向上を目指しましょう。

現状把握や効果検証の手段としてウェルビーイングの可視化ツールに興味がある方は、下記からお気軽にご利用ください。

たった5分で完了!診断は無料!

ウェルビーイング診断はこちら