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国内外には、コーチングを導入して組織の力を最大限に引き出し、業績を向上させている企業が数多くあります。
本記事では、コーチングを導入している国内外の企業の事例を紹介し、成功の秘訣を探ります。導入の際のポイントや成果の出るコーチングの共通点も紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
コーチングを企業に導入する際は、施策に注力するためにもツールの活用がおすすめです。
例えば株式会社メタメンターが提供している「MetaMentor CRM」は、コーチングを効率的に管理できる日本で初めてのクライアント管理ツール(CRM)です。
従来の表計算ツールや紙の管理では難しかったクライアント情報やカルテ、セッションノートなどの一元管理を実現し、「一人ひとりに合わせた柔軟なクライアント管理」で、信頼関係の強化を支援します。
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海外のコーチング導入企業4選
まず、海外の企業でコーチングを導入している企業を4つ紹介します。
「優れたマネージャーとは?」という問いのヒントも隠されていますので、それぞれ詳しくみていきましょう。
事例1. 内部コーチングでイノベーションを推進|Google
出典:Google
Googleでは、コーチングを重視するマネージャー育成が推奨され、頻繁な1対1ミーティングを通じてメンバーの成長を支援しています。
GROW(※)モデルの導入により、メンバーが自ら解決策を見つけ、積極的に成長できる環境が整えられているのが特徴です。
(※)GROWモデルとは、コーチングで用いられるフレームワークで、目標達成をサポートするための4つのステップで構成されており、各ステップの頭文字から「GROW」という名称がつけられている
Goal(目標設定): 達成したい具体的な目標を明確にする
Reality(現状把握): 現在の状況や課題を整理する
Options(選択肢の検討): 目標達成のための選択肢を出し合う
Will(意志の確認・行動計画): 実行する具体的な行動を決める
Googleは下記のような取り組みを実施しました。
【Googleの取り組みの一例】
・マネージャーの役割が組織のパフォーマンスに与える影響について、大規模な研究「Project Oxygen(プロジェクト・オキシジェン)」をおこなった
・2つの定量的尺度(マネージャーの業績評価と年次アンケートのフィードバック)を分析した
取り組みの結果、有能なマネージャーがいるチームは満足度と生産性が高いことが判明しました。
さらに優れたマネージャーの特徴を探るため、社員へのアンケート結果や業績評価を詳細に調査した結果、評価の高いマネージャーには、共通する下記の10の行動パターンがあることが判明しています。
出典:Google re:Work – ガイド: 優れたマネージャーの要件を特定する
なかでも今回注目したいのは、優れたマネージャーは「コーチング能力」が高いという点です。
優れたマネージャーのコーチングには下記のようなポイントがあります。
・定期的な1対1ミーティングをおこない、メンバーの話をしっかり聞く
・アクティブリスニングを実践し、オープンな質問でメンバーの考えを引き出す
・タイムリーで具体的なフィードバックを提供し、長所と改善点をバランスよく伝える
参考:Google re:Work – ガイド: マネージャーにコーチングを指導する
優れたマネージャーによるコーチングは個人の成長だけでなく、組織全体のイノベーションを創出する原動力となっています。
事例2.キャリア形成を促進するコーチング文化を醸成|IBM
出典:日本IBM
IBM(International Business Machines Corp.)は社員のキャリア成長を支援するために、内部でコーチングとメンタリングの文化を強化しています。
【IBMの取り組みの一例】
・Your Career Guidesというプログラムを通じて、2021年には13,000人以上のコーチとメンターが参加し、40,000人を超える社員をサポートした
・これにより、リーダーシップやキャリア開発の向上を目指した取り組みが推進され、次世代リーダー候補がコーチングを通じた支援を受けている
・リーダー育成の一環として、デジタルツールとワークショップを活用し、戦略的な人材育成を支援した
「Your Career Guides」は、社内でメンターやコーチが助け合う文化を育てる取り組みです。「メンタリング」や「コーチング」を活用したプログラムは、特に女性やマイノリティの社員の支援にも力を入れており、多様な人材が自分らしく働ける環境を整備しています。
このように、IBMはコーチングとメンタリングを通じて、社員のキャリア形成とリーダーシップ育成に取り組んでおり、成長志向の職場環境を促進しています。
事例3.リーダーシップの育成|Microsoft
出典:Microsoft
Microsoftでは、サティア・ナデラ氏が2014年に経営を引き継いでから18,000人のマネージャーに対し、以前の「監視と評価の文化」から「学びとコーチングの文化」へと移行しました。
目指す取り組みの一例は下記のとおりです。
【Microsoftの取り組みの一例】
・成長マインドセットに基づく新しい管理フレームワーク「Model-Coach-Care」を導入
・ 組織を”検査文化”から”学習文化”へと転換し、社員一人ひとりの成長を促すことを目指す
・マネージャーが、社員を指導するだけでなく、コーチングを通じて社員の成長をサポートする役割を担うようになった
・マネージャーは、「モデル(模範となる)、コーチ(コーチング)、ケア(気遣い)」の3つの行動原則を意識し、社員と接するようになった
Microsoftのコーチング文化は、「チームが目標を明確にし、学び続けること」のサポートに重点を置いています。
管理職の「アドバイスを急がない」姿勢もポイントの一つです。部下の成長の可能性を引き出し、失敗から学べる環境を提供することで、全社員のマインドセットが変わり、会社全体の成長につながっています。
その結果、株価は前任者のときより5倍上昇し、時価総額は1兆ドルを超えました。
参考:Growth Mindset and Coaching Culture at Microsoft
事例4.コーチングカルチャーを構築|インテル
出典:インテル株式会社
インテル株式会社は、世界半導体企業で2023年の売上高1位を達成したアメリカの企業で、コーチングカルチャーの導入に成功した企業です。コーチング・プログラムへの投資対効果は、営業利益で年間約10億ドルにものぼることが報告されています。
具体的にはリーダーの昇進率が以前の2.7倍・コーチング受講者のビジネス目標の達成率は91%に上昇し、企業の利益に与える影響は多大です。
【インテルの取り組みの一例】
・国際コーチ連盟(ICF)の倫理規定と標準に基づいたコーチングプログラムを導入し、信頼性と質の高いコーチングを実現
・リーダーシップの変革を通じて、イノベーションを重んじる文化を育成
・リーダーがロールモデルとなるようなアプローチを採用
・女性リーダーシップ・アカデミーや親への復帰プログラムなど、ニーズに応じたコーチングプログラムを提供
・女性や少数民族の上級管理職の数を増やす目標をサポート
コーチングの効果を測定し、データをもとにした継続的な改善で、より効果的なコーチングカルチャーを構築している好例といえます。
参考:インテルに学ぶ、卓越したコーチング・カルチャーへの6つのヒント|国際コーチング連盟
当サイトでは、今回紹介した事例以外にもAppleやAmazonなどの企業のコーチングプログラムや、導入効果などについても解説しています。関心のある方は、下記からご覧ください。
成功企業が実践!コーチングの秘密とその組織への圧倒的影響
コーチングの真髄を解明!世界のトップ企業が取り入れるコーチングの秘密と、組織への劇的な影響を具体例とともに紹介。
記事掲載日:2023年8月28日
国内のコーチング導入企業3選
次に、国内でコーチングを導入している企業を3つ紹介します。
「コーチングは組織の成長を支える重要なツール」ということがわかる事例を集めましたので、ひとつつずつみていきましょう。
事例1.潜在能力を引き出す|株式会社hacomono
出典:株式会社hacomono
SaaS企業であるhacomonoのCEO蓮田健一氏は、組織が成長するなかで直面した権限委譲やミドルマネージャーの育成などの経営課題を克服するために、コーチングを導入しました。
【hacomonoの主な取り組み】
・導入の初期段階では、40分の試験セッションをおこない、CEO自身の思考が整理され、ネクストアクションが明確になる効果を実感した
・その後、組織全体にコーチングを拡大し、マネージャーやリーダー層にもグループコーチングを実施した
・リーダーが部下と1on1を積極的におこない、メンバーの可能性を信じる姿勢が促進
・専門性の高い新メンバーとの協力を深め、ビジネスの成長とチームの結束強化に成功
コーチングを通じて経営者としてだけでなく、個人としても成長する機会を得て組織内のコミュニケーションや意思決定のプロセスを改善した結果、会社は大手企業との契約を獲得し、業界内での立場を確立しています。
蓮田氏の経験からは、コーチングが経営者やチームの潜在能力を引き出し、組織の持続的な成長を支える強力なツールであることが示されています。
参考:コーチングの必要性は「シリーズB以後」に訪れる──実践知を社内に広めたhacomono 蓮田CEOの記録
蓮田氏の例のように、経営陣がコーチングを受けるメリットや効果については下記の記事で詳しく解説しているので、関心のある方はご覧ください。
経営者がコーチングを受けるメリットとは?効果やコーチの選び方などを解説
経営者必見!コーチングで経営課題を解決。効果・料金・流れをわかりやすく解説し、スキルアップをサポートします。経営改善に役立つコーチングを始めましょう。
記事掲載日:2024年7月8日
事例2.メルカリコーチングプログラムを運営|株式会社メルカリ
出典:株式会社メルカリ
メルカリは2022年から正式なコーチングプログラムを導入し、メンバーの個々のパフォーマンス向上を目指しています。
メルカリの「メルカリコーチングプログラム」は、組織と個人の可能性を引き出し、メンバーの成長を促進するために設けられた取り組みです。
【メルカリの主な取り組み】
・「採用に強い」企業から「育成にも強い」企業を目指し、コーチングプログラムを展開
・コーチングを通じて社員が本音で語り合う場を提供し、各自の強みを引き出すことに注力
・コーチ養成プログラムで成長したメンバーが、他者を支援するサイクルを構築
・経営幹部や部門間のコミュニケーションの橋渡しにもコーチングを活用
・2022年の導入以来社員満足度は高く、外部コーチングサービスに匹敵する評価を獲得
コーチングを受けたメンバーからは、「自己理解が深まった」「周囲との関わり方が改善された」との声が多く寄せられています。
メルカリのコーチングプログラム導入は、社員の満足度向上だけでなく組織全体の生産性向上にもつながっています。
参考:社内コーチが語る、Unleashされゆくメルカリの「組織」と「人」の可能性 | mercan (メルカン)
事例3.コーチング講師の内製化|キヤノン株式会社
出典:キヤノングローバル
キヤノンは、コーチング研修の約8割を社内講師で内製化することで、柔軟な運営と高い効果を実現した企業です。
コロナ禍で社内コミュニケーションの重要性が増し、コーチング研修の人気が高まりました。
【キヤノンの主な取り組み】
・2000年代に役職者向けのコーチング研修を導入し、経営幹部の育成に取り組む
・コーチングは、リーダー層が部下を育成し、組織全体のパフォーマンス向上に寄与するための手法として採用
・コーチング研修は、社内講師によっておこなわれており、模擬研修での実践を通じ、マスター講師による合否判定を経て講師としてデビュー
・社内講師になるためには、平均100時間以上の学習を必要としている
キヤノンは、社員が互いに学び合い、成長できる社内環境を整え、コーチングを通じた組織力強化を進めています。コーチング導入が、社内コミュニケーションの円滑化と社員のスキル向上に大きく貢献している好例です。
参考:事例報告「キヤノンの人材開発と社内講師養成の取り組み」|独立行政法人労働政策研究・研修機構
コーチングを企業に導入する際の5つのポイント
本章では、コーチングを企業に導入する際のポイントを5つ紹介します。
ポイントを押さえ、自社でのコーチング導入イメージを具体的に描いてみましょう。
ポイント1.コーチングをビジネス戦略に結びつける
ポイントの1つ目はコーチングを組織全体の目標達成に貢献する「戦略的な取り組み」として位置づけることです。
例えば、下記のようなビジネス戦略が挙げられます。
・コーチングを通じて達成したい組織目標を明確にする
(例:生産性向上・イノベーション促進・社員満足度向上など)
・コーチングプログラムを、企業の長期的なビジョンや戦略と整合させる
・コーチングの効果を測定するための、具体的なKPIを設定する
(例:社員のエンゲージメント・目標達成率・問題解決能力など)
コーチングの目的を組織の目標に紐づけ、成果を測定可能な形で設定するのがポイントです。
ポイント2.経営陣の理解と参加を促進する
経営陣の理解とコミットメントが、コーチングの成功に欠かせません。
トップがコーチングの価値を理解し、自ら実践する姿勢を示すことで、社員の意識の変化に影響を与えます。
具体的には、コーチングの目的・効果・導入メリットを経営陣に丁寧に説明するのと同時に、経営陣に対してコーチングスキルを習得してもらうためのトレーニングを実施します。
CEO自らがコーチングを体験し、効果を実感して組織全体に浸透させる取り組みは、先に紹介した成功事例とも共通したポイントです。
また、リーダーがコーチとして部下にコーチングをおこなうケースもあります。下記の記事では、経営層の育成としてコーチングを取り入れた効果や実践方法を紹介しているので、併せてチェックしてください。
経営陣の育成に効果的なコーチングとは?
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記事掲載日:2024年10月13日
なお経営陣にコーチングの効果を提示する際には、コーチングの施策の効果検証に役立つツールの活用がおすすめです。
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ポイント3.指示ではなく、自己発見を支援する
コーチングは、社員が自ら答えを見つけ、成長するためのプロセスです。そのため、「教える」のではなく、社員自身が課題に気付き、解決策を見つけるプロセスを支援します。
例えば、強み・弱み・価値観などを客観的に可視化できるように支援し自己認識を促進したり、社員が自ら目標を設定し、達成するための計画を立てられるように支援したりするのがポイントです。
部下の育成のヒントになるステップやコーチングの考え方を知りたい方は、下記の記事も併せてご覧ください。
管理職必見!部下育成を加速するコーチング術
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記事掲載日:2024年10月13日
ポイント4.オープンな対話を促進する
コーチングの効果を最大化するためには、信頼と安心感のある環境でのオープンなコミュニケーションが大切です。
社員が本音を話せる「心理的安全性」を醸成すると、課題や不安を共有しやすくなり、改善への取り組みが加速します。
心理的安全性の醸成には、定期的な1on1ミーティングやフィードバックの場を設け、上司・部下間での対話を活性化させることが有効です。加えて、トップからの指示だけでなく、下からの意見も積極的に取り入れるように意識しましょう。
ポイント5.コーチングの成果を可視化し評価する
コーチングの効果を定量的に測定し、改善に活かすのもポイントの一つです。
【コーチングの成果を評価する方法の例】
・アンケート調査でコーチングに対する社員の満足度や、スキルアップを実感しているかなどを調査する
・コーチング導入前後のKPIを比較し、効果を検証する
・コーチングの効果を測定できるツールを活用し、データに基づいてコーチングプログラムを改善する<
・成果を定量的・定性的に測定する仕組みをつくる
コーチングの成果を可視化し、効率良く評価するには、ポイント2で紹介したウェルビーイング診断のような便利なツールの活用がおすすめです。
コーチングの種類と期待できる効果
本章では、企業に関連する主なコーチングの種類を紹介します。
以下の表に「1on1コーチング」「チームコーチング」「エグゼクティブコーチング」の概要と、企業に期待できる効果をまとめました。
【企業に関連する主なコーチングの種類と期待できる効果】
種類 | 概要 | 期待できる効果 |
---|---|---|
1on1コーチング | ・個人とコーチが1対1でおこなうセッション ・具体的な課題解決やスキル向上が目的 |
・ 個人のパフォーマンス向上 ・ モチベーションとエンゲージメントの向上 ・キャリア目標の明確化 |
チームコーチング | ・チーム全体で実施 ・協力体制やコミュニケーション向上が目標 |
・チームの協調性とパフォーマンス向上 ・チーム間の信頼構築 ・効果的な意思決定の促進 |
エグゼクティブコーチング | ・経営層向けのコーチングリーダーシップ強化や意思決定スキル向上を支援 | ・ 経営層の意思決定力強化 ・リーダーシップ開発 ・ 組織変革の促進と持続的成長 |
紹介したコーチングの種類は、あくまでも一例です。企業の規模や課題、目標によって、最適なコーチングの種類や内容は異なります。自社の状況に合わせて、最適なコーチングプログラムを導入しましょう。
当サイトでは、経営陣に向けた組織とコーチングに関連する記事を多数掲載しています。関心のある方は併せてチェックしてみてください。
業績大転換!コーチングによる組織文化改革の全貌とその成果
業績アップの秘訣、それはコーチングによる組織文化改革。具体的な海外事例を通じて、コーチングの強力な影響力を解き明かします。
記事掲載日:2023年7月19日
エグゼクティブコーチングの重要性とその効果
この記事では、エグゼクティブコーチングは経営者のパフォーマンス向上、ビジョンの明確化、リーダーシップスキル強化を支援し、組織全体への影響と共に、個々の成長を促すことを事例とともに解説しています。
記事掲載日:2023年5月30日
成果の出るコーチングの共通点
最後に、本記事で紹介した企業が成功を収めている3つの主な共通点を紹介します。
成果の出るコーチングの共通点を参考に、自社の具体的なアクションプランを作成してみましょう。
共通点1.明確な目標設定がある
企業にコーチングを導入し成功させる企業には、達成すべき具体的な目標と進捗を測定する指標の設定が明確です。
明確な目標を設定するための方法の一つに、下記のようなSMARTな目標設定があります。
【SMARTな目標設定】
Specific(具体的) | 達成したいことを具体的に数値化し、視覚的にとらえられるようにする |
---|---|
Measurable(測定可能) | 目標達成度を客観的に測れる指標を設定する |
Achievable(達成可能) | 挑戦的でかつ現実的な目標を設定する |
Relevant(関連性がある) | 組織の目標や個人のキャリア目標と関連付ける |
Time-bound(期限がある) | 目標達成の期限を設定する |
このように目標を設定することで社員がどの方向に進むべきか明確になり、成果が視覚化されやすくなるメリットが期待できます。
共通点2.信頼関係を構築している
共通点の2つ目は、コーチング導入で成果を出している企業はリーダーと部下の信頼関係が構築されている点です。
コーチ(リーダー・上司)と社員の間の信頼関係が築かれていると、社員は安心して心を開き、より深く自分自身と向き合えます。
そのためリーダーは、失敗を恐れずに意見を交換できるような「心理的に安全な環境」を提供することが大切です。
さらに、リーダーが社員の話に共感的に耳を傾け、理解する姿勢を示すと、社員は「自分の意見や考えが尊重されている」と感じ、安心して自己開示できるようになります。自身の価値観や目標を再確認するきっかけとなり、モチベーションの向上が期待できます。
社内にコーチング文化を根付かせるポイントとしての「心理的安全性」について詳しく知りたい方は、下記の記事もチェックしてみてください。
コーチングカルチャーとは?5つのメリットや浸透までのステップなど総まとめ
コーチングカルチャーとは、組織内でコーチングが取り入れられ、価値観や態度、行動がコーチングの原則にしたがっている状態です。本記事では、導入メリットや浸透するポイントなどを解説します。
記事掲載日:2024年7月30日
共通点3.経営層が積極的に支援している
経営層が、コーチングを研修ではなく「組織文化」として認識し、自らが模範となって行動すると、社員はコーチングの価値を理解しやすくなります。
冒頭で紹介した事例のように、成功している企業の多くはリーダー自らが良いコーチとなり、部下が主体的に成長できるようなアドバイスやフィードバックを実施しています。
まずはマネージャークラスのコーチングプログラムを提供し、組織全体の文化として根付かせていることが、成功を収めている企業の共通点です。
つまり「コーチングを組織の一部として組み込み、継続的に取り組む」ことが、成果につながる秘訣といえます。
まとめ:成功事例を参考に自社にもコーチングを取り入れよう!
コーチングを企業に導入して社員や組織を活性化するには、すでに成果を出している事例を参考にするのがおすすめです。
そのためには、まず経営層が積極的にコーチングの意義を理解し、自らコーチングを体験して効果を実感することが大切です。経営層が率先してコーチングを実践すると、社員も安心してコーチングに取り組めるようになり、より効果的な組織変革が推進できます。
コーチング推進のために、より質の高いコーチングを提供するには、セッション内容やコミュニケーションの向上など、本来力を入れるべきポイントに集中するのがおすすめです。
例えば株式会社メタメンターが提供する「MetaMentor CRM 」は、コーチングにまつわる業務を一元化・効率化する日本で初めてのクライアント管理ツールです。
コーチング施策における社員管理を効率化するだけでなく、効果の測定や目標値・分析などの可視化も可能です。
心理的・社会的・身体的な側面から社員の心身の健康状態を総合的に可視化できる「ウェルビーイング診断」もついた「MetaMentor CRM 」については、下記から詳細をご確認ください。
記事監修
代表取締役社長 小泉 領雄南
2011年にGMOペイメントゲートウェイ入社。2016年にGMOフィナンシャルゲート執行役員に就任し、2020年に上場。2021年、早稲田MBA在学中にコーチングに出会い、翌年メタメンター設立。2023年に国際コーチング連盟日本支部運営委員に就任。