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最新のIOC研究から学ぶ:リーダーシップとコーチングの結びつき

アカデミア

記事掲載日:2023年5月24日 
最終更新日:2023年6月19日

リーダーシップとコーチングの接点とは?

いまや、成功する組織のリーダーが持つべき資質として、コーチングスキルが強く求められています。しかし、具体的にリーダーシップとコーチングはどのように結びついているのでしょうか?

リーダーシップとコーチングの定義

まず、リーダーシップとコーチングをそれぞれ定義することから始めましょう。リーダーシップとは、他者を影響力や権限を用いて導く能力です。対してコーチングは、他者の自己認識や自己啓発を促し、自己解決のための手法を提供するプロセスです。これらの定義から、リーダーがコーチングスキルを身につけることで、部下の成長を促すとともに、組織のパフォーマンスを向上させることができると考えられます。

IOC(Institute of Coaching)の最新研究の概要

IOC(Institute of Coaching)は、コーチングの科学的な研究を推進している組織です。最近のIOCの研究では、リーダーシップとコーチングの結びつきについて、興味深い結果が発表されています。

リーダーシップとコーチングの強力な関係性

IOCのシステマティックレビューとメタ分析による論文、”The Relationship Between Leadership and Coaching in Organizations: A Systematic Review and Meta-Analysis”によれば、リーダーシップとコーチングは密接に関連していることが示されています。この論文は、リーダーシップとコーチングの関係性についての過去の研究を集約し、その結果を統計的に解析することで、一般的な傾向を明らかにしようとしたものです。

この論文によると、リーダーがコーチングの役割を果たすことで、組織全体のパフォーマンスが向上し、従業員の満足度やコミットメントも高まることが明らかにされました。また、リーダー自身がコーチングスキルを持つことで、リーダーシップの効果が増大するという結果も示されています。

この研究の結果は、リーダーがコーチングスキルを磨き、それを実践することが、組織の成功にどれだけ重要であるかを物語っています。リーダーシップとコーチングが結びつくことで、組織全体のパフォーマンスが向上し、個々の従業員が自分の可能性を最大限に引き出すことが可能になります。

成功事例: アマゾンのリーダーシップ原則

Googleの例を以前に挙げましたが、今回はアマゾンのリーダーシップ原則を見てみましょう。アマゾンのリーダーシップ原則(Leadership Principles)は、リーダーが従業員をコーチングすることに大いに重きを置いています。

特に「学習と好奇心」の原則では、リーダーは新しい知識を常に学び、自己改善を追求し、自分自身と組織の未来を見つめ直すことが求められます。この原則は、まさにコーチングの本質を表しています。リーダーが自己改善を求め、チーム全体に影響を与えることで、組織全体の向上を促すという意識がコーチングと重なります。

また、「敬意を表し、信頼を築く」の原則では、リーダーは他者の視点を理解し、尊重し、相手を尊重することが求められます。この原則は、コーチが常にクライアントを尊重し、理解しようとする姿勢を示しています。コーチングスキルを持つリーダーは、他者の視点を理解し、その視点から行動することで、組織内での信頼関係を築くことができます。

アマゾンのリーダーシップ原則は、リーダーシップとコーチングが密接に関連していることを明示的に示しています。リーダーがコーチングスキルを身につけ、それを実践することで、組織全体のパフォーマンスを向上させ、従業員の満足度とコミットメントを高めることができるのです。

リーダーシップとコーチングの結びつきを強めるためのステップ

以上の情報から、リーダーシップとコーチングが密接に結びついていることは明らかです。では、組織のリーダーとして、どのようにコーチングのスキルを身につけ、それを実践することができるのでしょうか。以下に、そのための具体的なステップを提案します。

ステップ1:コーチングの理念とスキルを学ぶ

まずは、コーチングの基本的な理念とスキルを学びましょう。コーチングは、個々の人々が自分自身の目標を達成するためのサポートを提供するプロセスです。これには、質問や傾聴、フィードバックを通じて思考を刺激し、新しい視点を提供し、行動の選択肢を広げる能力が必要です。コーチングの技術と理念を学ぶことで、リーダーとしての効果を最大限に引き出すことができます。

ステップ2:コーチングのスキルを実践する

次に、学んだコーチングのスキルを実践に移すことが重要です。これは、日常の対話、ミーティング、フィードバックの提供など、日常的なリーダーシップ活動の中で行うことができます。例えば、部下とのミーティングでは、問題解決の答えを直接提供するのではなく、質問を通じて部下自身に答えを見つけさせるというコーチングのアプローチを取ることができます。

ステップ3:フィードバックと反省を通じて成長する

コーチングのスキルを実践した後は、フィードバックを受け入れ、反省することで成長を促します。これには、部下や他のリーダーからのフィードバックを求め、自分のコーチングスキルを反省し、改善することが含まれます。また、自己評価も重要な役割を果たします。自分自身の行動と結果を評価することで、どのアプローチが効果的であったか、どの部分が改善の余地があるかを判断することができます。

ステップ4:組織全体にコーチングの文化を広める

最後に、リーダーとしての役割は、自分だけが成長することにとどまらず、組織全体にコーチングの文化を広めることにもあります。これは、他のリーダーにコーチングのスキルを教え、部下が自己啓発を促す環境を作ることで達成できます。リーダーがコーチングの理念とスキルを実践し、その価値を示すことで、組織全体が学習と成長を重視する文化を醸成することが可能になります。

まとめ

リーダーシップとコーチングは密接に関連しており、リーダーがコーチングの役割を果たすことで、組織全体のパフォーマンスが向上することが確認されています。この記事では、アマゾンのリーダーシップ原則を例に取り上げ、その中でコーチングの要素がどのように組み込まれているかを見てきました。そして、リーダーシップとコーチングの結びつきを強めるための具体的なステップを提案しました。

リーダーとしてコーチングの理念とスキルを学び、それを実践することが求められます。そして、そのスキルを組織全体に広め、成長と学習を重視する文化を醸成することが重要です。

コーチングは、従業員が自分自身の可能性を最大限に引き出し、組織全体のパフォーマンスを向上させる強力なツールです。そして、それはリーダー自身が成長し、自身のリーダーシップスキルを強化するためのツールでもあります。

最後に、コーチングスキルを身につけ、それを実践することで、リーダーとしての効果を最大限に引き出し、組織全体の成功を支えることができることを覚えておいてください。リーダーシップとコーチングは、あなたが組織を指導し、影響力を発揮するための重要なスキルセットであり、その結びつきを理解し、活用することが、あなた自身とあなたがリーダーシップを担う組織の成長を促進します。

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