目次
AI(人口知能)技術が進化するなかで、コーチングの分野にもAIの活用が期待されています。
AIによるサポートを受けるコーチングの未来を、想像する方も増えてきているのではないでしょうか?
コーチング領域におけるAI活用は導入されつつあり、早くもICF(国際コーチング連盟)がAIコーチングシステムに関するガイドライン、フレームワークを提示しています。この先「AIコーチングを活用するかどうか」で、コーチングの成果や競争力などに大きな差が出ることも考えられます。
そこで今回ご紹介するのは、ICF(国際コーチング連盟)が発表した「人工知能コーチングフレームワークと標準」レポートです。AIを活用したコーチングの質と信頼性を確保するためのガイドラインを示した、画期的なレポートで、AIコーチングの最前線を知るうえで必読の内容です。ぜひ本文をチェックしてください。
概要まとめ
イントロダクション
コーチングは個人の能力向上だけでなく、組織に取り入れることで職場改善にも役立ちます。またAIの導入によって、新たな可能性が広がっています。
ICFがAIがコーチングに与える影響として挙げているのは、以下です。
- コーチがマネージャーやリーダーと協力して、コーチングスキルを向上できる
- 学生や研修生に対して追加の学習機会を提供できる
- 組織内でのコーチングの役割を深める手段を提供できる
- コーチングをより手頃な価格で提供できる
- 発展途上国での社会的影響を拡大する可能性がある
しかしバイアスや個人情報の扱いなどのリスクも存在するため、AIコーチングに関する倫理的な基準が欠かせません。そこで2024年に、ICFと専門家の作業部会によって、AIコーチングスタンダードが確立されました。
ガイドラインの内容
倫理的な設計・クライアントとの関係構築・効果的なコミュニケーション・学習促進・システムの保証とテスト・技術的要因という6つのドメイン(分野)において、具体的な要件を明確化しています。
イントロダクション
近年AIが急速に発展し、さまざまな分野で活用されるようになってきました。コーチングの分野においても、AIは新たな可能性を切り開いていて、コスト削減や効率化、AI駆動型のコーチング文化の促進に影響すると考えられています。一方で、AIの学習バイアスや情報セキュリティリスク、コーチングにおける人間関係の重要性が失われることへの懸念もあります。
ICFはこれらの課題に対処し、AIコーチングの質を保証するために「AIコーチング基準」を策定しました。
ICFのAIコーチング基準は、AIを導入する際の課題やリスクに対処しAIコーチングの質を保証するための重要な指針となることが期待されます。
なお進化し続ける「コーチングにおけるAIの役割」については、下記の記事でも触れていますので、関心のある方はご覧ください。
コーチングにおけるAIの役割:今後の見通し
この記事では、AIコーチングはアクセシビリティを向上させ、個々の成長をサポートし、人間のコーチを補完し、新たなパラダイムを生み出す可能性があることを解説しています。
記事掲載日:2023年5月29日
ガイドラインの内容
はじめに:AIコーチングの仕組みと役割
AIコーチングとは、AIを使って、人が成長したり目標を達成したりするのをサポートするシステムです。
AIコーチングのイメージを下記に挙げてみました。
- AIが質問をしてくれる
- AIがアドバイスをしてくれる
- AIがコーチングの進捗状況を記録してくれる
今回、AIを使って一部のコーチングプロセスを自動化し、コーチングの効果を測定・追跡できるようにするためのガイドラインが作られました。
AIコーチングは、クライアントの目標や価値観に基づいて内省や学習を促進し、意思決定や行動をサポートします。個人だけでなく、チームや組織全体で活用でき、人間によるコーチングとの併用も可能です。
ICFでは、安全で効果的なAIコーチングになるように、以下の取り組みをおこなっています。
- AIコーチングのガイドライン作成
- AIコーチングの効果測定
- コーチや組織に役立つAIコーチングの情報提供
ICF AIコーチング・スタンダード・フレームワーク
ICF AIコーチング・スタンダード・フレームワークとは、AIを活用したコーチングシステムの開発・運用における質の確保と倫理的な側面を規定するため、ICFが策定したものです。
ICFのコアコンピテンシー(他社に真似できない核となる能力)を基盤としつつ、AI特有の技術的な側面や倫理的な問題点にも考慮しています。
フレームワークを構成しているのは、下記の6つのドメイン(分野)です。
最初の4つのドメインは、人間がおこなうコーチング向けのICFコア・コンピテンシー・フレームワークに基づいており、基準は異なりますが同じ原則が適用されています。
EとFは新しいもので、AIやそのアプリケーション特有の課題に対応しているドメインです。
また各ドメインには、より具体的な13のスタンダードセットが設定されています。
例えば、「AI倫理」というスタンダードセットでは、AIが差別的な行動を取らないようにする、といった具体的なルールが定められている仕組みです。
また要件は「基本要件」と「高度な要件」に分かれており、高度なレベルの達成には、まず基本レベルをクリアしなければなりません。
さらに、要件には関連する使用例(ユースケース)が付いており、どのように適用されるのかが具体的に説明されています。
次の項で、6つのドメインについて一つずつ解説します。
ドメインA.基礎
AIをコーチングに取り入れるにあたり、倫理的な問題やリスクをもたらすおそれがあるため、基礎となる倫理的な設計は不可欠です。
AIコーチングの倫理的な側面を理解することは、AIの開発者だけでなくAIを利用するユーザーにとっても欠かせません。ドメインAでは「基礎倫理」と「コーチングのマインドセット」の2つの要件が提示されています。
要件の詳細を大きく下記にまとめました。
【ドメインA.基礎の要件】
要件A-1.基礎倫理 | ・AIであることを明示し、システムの限界やAIの可能性を正確に伝える ・アルゴリズムの透明性を保ち、バイアスを最小限に抑えるための対策を講じ、データの取扱いに対しても配慮する |
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要件A-2.コーチングのマインドセット | ・人間のコーチングと同様にクライアント重視で柔軟な対応と的確な適切なフィードバックを提供する ・倫理的かつ人間的な柔軟さを持って、実施されることが期待される |
AIコーチングは偏見を避け、透明性を保ちながら「柔軟でクライアントに寄り添った人間らしい姿勢」を取り入れる必要があります。
ドメインB.関係の共創
AIがどれだけ高度な機能を持っていたとしても、クライアントが安心を感じ、コーチングに積極的に参加できるような環境づくりが大切です。
ドメインBでは「合意の確立と維持」と「信頼と安全の構築」「プレゼンス(人間らしさ)の維持」の3つの要件が提示されています。
主な内容を下表にまとめました。
【ドメインB.関係の共創の要素】
要件B-1. 合意の確立と維持 |
コーチング目標やプロセスに関する合意を事前に明確にし、同意を得たうえで進める |
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要件B-2. 信頼と安全の構築 |
AIの透明性を保ち、クライアントとのオープンな対話を促進し、信頼関係を築く |
要件B-3. プレゼンス (人間らしさ)の維持 |
・AIであることを明示しながらも、柔軟で自信のある対応をおこなう ・クライアントの感情やフィードバックに適切に対応し、自然でわかりやすいコミュニケーションを心がける |
AIは人間が不快に感じるような表現を避け、自然でわかりやすい言葉でのコミュニケーションが求められます。また中立的で客観的な態度を保ち、クライアントを安心させる要素も外せません。
ドメインC.効果的なコミュニケーション
効果的なコミュニケーションとは、AIがクライアントの話をよく聞き(アクティブリスニング)、聞き取った情報を使って個別に対応することです。
ドメインCでは「アクティブリスニング」と「意識を喚起する」の要件が提示されています。要件の詳細を下表にまとめました。
【ドメインC.効果的なコミュニケーションの要素】
要件C-1. 積極的に耳を傾ける(アクティブリスニング) |
・AIはクライアントの言葉だけでなく、トーンや表情などの非言語的な部分も認識しようとし、クライアントの過去の入力を踏まえて応答を柔軟に適応させる ・定期的にフィードバックを提供し、クライアントの成長を支援する |
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要件C-2.意識を喚起する | ・AIはオープン・クローズドクエスチョン、比喩や類推、沈黙を効果的に組み合わせ、クライアントの自己認識や洞察力を高める ・指示的および非指示的な対話のバランスを取りながら、代替的視点を提供し、クライアントの認識を広げるサポートをおこなう |
リスニングスキルやコミュニケーションについて、さらに理解を深めたい方には下記の記事もおすすめです。実戦で使えるテクニックなども解説していますので、ぜひご覧ください。
人間関係を深める傾聴とは?基本とテクニックを解説
傾聴の技術を仕事で活かし、コミュニケーションを改善したい方必見!基本から応用、実践テクニックまでをわかりやすく解説します。職場の人間関係を円滑にし、チームワークを高めるための傾聴スキルを身につけましょう。
記事掲載日:2024年9月9日
ドメインD.学習促進
クライアントが自律的に目標達成に向けて行動できるように、AIはさまざまな機能を提供する必要があります。
ドメインDでは・クライアントの成長を「促進」と「強化」に分けて考えています。「促進」と「強化」の主な内容は下記のとおりです。
【ドメインD.学習促進・強化の要素】
要件D-1. クライアントの成長を「促進」する |
・クライアントの目標設定をサポートし、進捗状況を可視化しながら、目標の再定義や問題解決を支援する ・自己評価の促進により、クライアントが自身の成長を振り返り、次のステップを踏み出せるようにする |
---|---|
要件D-2. クライアントの成長を「強化」する |
・クライアントのモチベーションを維持し、行動変容を支援する ・成功体験の積み重ねで自信を高め、新しい行動を習慣化させるステップを提供する ・クライアントが目標達成に向けた行動を継続できるようサポートし、問題解決を実行可能な行動に変える手助けをする |
AIコーチングシステムには、クライアントの目標達成や成長を支援し進捗状況を追跡しながら、問題解決や学びを「実行可能な行動に変えるサポート」が求められています。
ドメインE.システムの保証とテスト
本項では、AIコーチングシステムにおける品質保証とテストの重要性について解説します。
ドメインEで提示されている要件は、「コーチングの信頼性対策」と「システムのユーザビリティ」です。要件の主な内容を下表にまとめました。
【ドメインE.システムの保証とテストの要素】
要点E-1. コーチングの信頼性対策 |
・AIコーチングの効果を客観的に評価し、バイアスの排除や異なる属性を持つクライアントによるテストを実施して、信頼性を確保する ・トレーニングデータの品質管理や専門家のレビューを通じて、システムの精度と適切さを向上する |
---|---|
要件E-2. システムのユーザビリティ |
・誰もが簡単に使えるように、直感的な操作性や多言語対応、アクセシビリティへの配慮をする ・高速なレスポンスや多様なデバイスへの対応も考慮し、ユーザーが快適に使用できる環境を整える |
信頼性と使いやすさを確保するために、品質保証とテストを徹底し、ユーザーが快適に使える環境を整えることがポイントです。
ドメインF.技術的要因
AIコーチングシステムには、個人情報を取り扱うため、高いセキュリティとプライバシー対策が求められます。
ドメインFでは「セキュリティとプライバシー」と「システム復旧力とアクセシビリティ」の要件が提示されています。
要件の主な内容は下記のとおりです。
【ドメインF.技術的要因の要素】
要因F-1. セキュリティとプライバシー |
・データの暗号化や安全なサインオンなどを通じて、ユーザーの個人情報を保護する ・GDPR(一般データ保護規則※)のようにデータ保護に関する法規制を遵守し、セキュリティ対策やプライバシーポリシーの透明性を確保することで、ユーザーの信頼を得る |
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要件F-2. システム復旧力とアクセシビリティ |
・システムの可用性を高め、障がいを持つユーザーにも平等に利用できる環境を提供する ・スクリーンリーダーや音声認識機能の実装、システム障害からの迅速な復旧、アクセシビリティに関する継続的な改善をおこなう |
※GDPR(General Data Protection Regulation、一般データ保護規則)とは、欧州連合(EU)が2018年5月に施行した個人データ保護に関する規則のこと
これらの技術的要件をバランス良く取り入れることで、より多くの人が安心してAIコーチングを利用できるように整備する必要があります。
AIコーチング・システムの例
本項では、5つのAIコーチング・システムの例を紹介します。
例1.会話型AIコーチングアプリ (チャットボットインターフェース)
会話型AIコーチングアプリ は、チャット形式でユーザーと対話しながら自己認識の向上を支援するツールです。
【アプリ画面】
会話型AIコーチングアプリの主な機能やメリット・活用シーンを表にまとめました。
【会話型AIコーチングアプリの概要】
機能 | ・定期的な振り返り ・一人ひとりの状況やニーズに合わせたアドバイス ・タスクの割り当て ・進捗状況の可視化 |
---|---|
メリット | ・スマートフォンなどで気軽に利用できる ・定期的な振り返りを通して、自己成長を促す ・人間のコーチングに比べて、コストを抑えられる |
活用シーン | ・前向きな思考で解決策を考え、マインドセットを身につけたい人のスキル向上 ・人間のコーチングの補助ツール ・個人の自己成長 など |
例2.ジャーナリングのセンチメントAI(感情分析AI)
ユーザーの日記の内容を分析し、感情的な変化をとらえコーチングに活かすツールが、ジャーナリングのセンチメントAI(感情分析AI)です。
【アプリ画面】
ジャーナリングのセンチメントAI(感情分析AI)の概要・メリット・活用シーンは下記のとおりです。
【ジャーナリングのセンチメントAI(感情分析AI)の概要】
機能 | 感情分析・目標設定・進捗状況のモニタリング |
---|---|
メリット | ・AIによる客観的な分析で、自己認識を深められる ・潜在的な問題を早期に発見し、対応できる |
活用シーン | ・自己成長をしたい人 ・コーチングセッションの補助 など |
例3.アバターを使ったAIコーチングプラットフォーム
アバターを使ったAIコーチングプラットフォームとは、人型のアバターが、人間のような対話でコーチングをおこなうツールです。
機械学習や自然言語処理を活用し、対話型のコーチングを提供します。
出典:(PDF)Artificial Intelligence Coaching: The Future is Here
アバターを使ったAIコーチングプラットフォームは、下記のような機能・メリット・活用シーンが特徴です。
【アバターを使ったAIコーチングプラットフォームの概要】
機能 | リーダーシップ開発・目標設定・意思決定支援 など |
---|---|
メリット | ・人型のアバターにより、親近感を感じやすい ・多様な機能で、さまざまなコーチングニーズに対応できる |
活用シーン | ・企業の研修 ・個人向けのコーチング など |
例4.定期的なeコーチング
定期的なeコーチングは、定期的にeメールなどでコーチングメッセージを送信しクライアントの成長を促すツールです。
eコーチングの概要を下表にまとめました。
【eコーチングの概要】
機能 | 目標設定・進捗状況のモニタリング・自己評価 |
---|---|
メリット | ・定期的なメッセージでモチベーションを維持する ・いつでもどこでも利用できる |
活用シーン | 長期的な目標達成 など |
例5.目標達成チャットボット
目標達成チャットボットは、GROWモデル(※)に基づき、目標設定から達成までをサポートします。
(※)GROWモデルとは
コーチングに欠かせない4つのプロセスを駆使してクライアントの目標達成を効果的にサポートする手法
【アプリ画面】
目標達成チャットボットの主な特徴は下記のとおりです。
【目標達成チャットボットの概要】
機能 | 目標設定・行動計画・進捗状況のモニタリング |
---|---|
メリット | ・GROWモデルに沿って、効率的に目標達成をサポート ・クライアントの行動を促す |
活用シーン | 目標達成をしたい人 |
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ステークホルダー(関係者)が確認すべきポイント
ICFはAIシステムが正確で使いやすいものになるために、関係者が気をつけるべきことを呼びかけています。
各ステークホルダーの主な役割は下記のとおりです。
【ステークホルダーと主な役割】
ステークホルダー | 主な役割 |
---|---|
プロコーチ | ・クライアントへのAI情報の開示 ・同意取得 ・効果的な質問技法の使用 ・クライアントの目標設定と進捗管理 ・自己評価のサポートなど |
クライアント | ・AIとのコミュニケーション ・目標設定、自己評価、データ管理の方法など |
組織 | ・セキュリティポリシーへの適合性 ・クライアントへの情報提供 ・AI機能の検証 など |
スーパーバイザー | ・コーチの指導、AIシステムの監視 ・開発者: AIの設計、機能開発、データ管理 など |
養成機関 | コーチの教育、AIシステムへの対応 など |
AIコーチングシステムは効率的・効果的であるだけでなく、文化的にも適切でユーザーのニーズに合ったものであることが重要です。
A〜Fのドメインごとに、各ステークホルダー(プロコーチ・クライアント・組織・スーパーバイザー・開発者・養育機関)が注意すべきポイントを挙げています。下記はその一例です。
【各ステークホルダーが注意するべきこと(抜粋)】
【A:基礎】
・ICFが定めた倫理基準に基づき、AIコーチングに関わるすべてのステークホルダーが倫理的な問題に注意を払う
・適切な開示方法を守る
【B:人間とAIの関係構築】
・クライアントとの信頼関係を構築するため、サービスに対する顧客のオプトイン(同意)を適切におこなう
・オプトインを促進・確認するためのプロセスを整備する
【C:効果的なコミュニケーション】
・AIコーチングシステムがクライアントに気づきを与えるために、効果的な質問技法を用いる
【D:学習と成長の促進】
・クライアントの目標設定や進捗モニタリングをサポートし、成長を促す
【E:信頼性とテスト】
・AIコーチングシステムの能力が信頼性のある研究に基づき検証されているか確認す
【F:データ管理とセキュリティ】
・クライアントのデータがどのように管理され、セキュリティが確保されているかを確認する
AIコーチングシステムの開発・導入・利用においては、ICFが定めた倫理基準を参考に、それぞれの立場から確認すべきポイントを理解しておきしましょう。
すべてのAIシステムは、ユーザーが複雑な問題に直面した際、専門家の指導を受けるよう促さなければなりません。AIは公平性を目指しますが、すべての状況に対応できないおそれもあります。
そのため設計者は、バイアスを完全に排除することは難しい点を、明確に伝える必要があります。またエンジニアは、バイアスを最小限に抑えるための継続的な改善も欠かせません。
ここまでICF(国際コーチング連盟)が発表した「人工知能コーチングフレームワークと標準」をお伝えしてきましたが、本記事ではレポートの一部のみをご紹介しています。すべての内容をチェックしたい方は、下記のオリジナルレポートもご覧ください。
英語:
日本語:https://drive.google.com/file/d/1BgEvRK-s0_CLuUUP_CLZvaYvMqIIAyhG/view?usp=drive_link
ICF(国際コーチング連盟)について
ICF(国際コーチング連盟)は、1995年に設立された非営利組織で、世界中のコーチング専門家のスキル向上と認定を支援しています。
ICFは、コーチがクライアントの人生・人間関係・ビジネスパフォーマンスを向上させるための高い基準と独立した認定を提供しており、コーチングの専門性の向上を目的としている組織です。
コーチ専用のトレーニングプログラムも認定し、厳格な審査を通じてプログラムがICFのコーチングの定義・倫理綱領・コアコンピテンシーに合致していることを確認しています。
ICF認定資格を持つコーチは、その誠実さ・スキルの理解・クライアントへの献身が保証されているともいえます。
参考文献
- Akter、 S.、 McCarthy、 G.、 Sajib, S.、 Michael、 K.Dwivedi、 Y. K.、 D’Ambra、 J., & Shen, K. N. (2021). AI時代におけるデータ駆動型イノベーションにおけるアルゴリズムバイアス. International Journal of Information Management, 60、 102387.
- Athanasopoulou、 A., & Dopson, S. (2018). エグゼクティブコーチングの成果に関する系統的レビュー:最も重要なのはプロセスか目的地か? The Leadership Quarterly、 29、 70–88.
- Ciechanowski, L.、 Przegalinska、 A.、 Magnuski, M., & Gloor, P. (2018). 不気味の谷の影で:人間とチャットボットの相互作用に関する実験的研究. Future Generation Computer Systems, 92、539-548.
- Graßmann、 C., & Schermuly, C. C. (2020). 人工知能を用いたコーチング:概念と能力. Human Resource Development Review、 20、 106–126.
- Jarrahi、 M. H. (2018). 人工知能と仕事の未来:組織的意思決定における人間とAIの共生. Business Horizons、 61、 577–586.
- Malafronte、 O. O., & Loufrani-Fedida, S. (2023、 October 25). コーチング質問とAIベースのツールを使用したリーダーシップ能力の開発:スキーマの変化とマルチレベルの影響. 第34回AGRH学会にて発表、(コルシカ島.コルテにて)
- Mikalef、 P., & Gupta, M. (2021). 人工知能の能力:概念化、測定のキャリブレーション、およびその組織の創造性と企業業績への影響に関する実証研究. Information & Management, 58、 103434.
- Terblanche、 N., Molyn, J., Haan, E. de, & Nilsson, V. O. (2022). 人工知能と人間のコーチングの目標達成効率の比較. PLOS ONE、 17、 e0270255.
株式会社メタメンターでは、デジタルコーチングシステムの一つ「ウェルビーイング診断」に続き、日本で初めてのクライアント管理ツール「MetaMentor CRM」の提供をスタートしました。
従来のエクセルや紙の管理では難しかった一人ひとりに合わせた柔軟なクライアント管理で、信頼関係の強化を支援できるツールです。AIと合わせて活用することで、本来注力すべきコアな業務やインプットに取り組む時間が生み出せる「MetaMentor CRM」についての詳細は、下記のバナーからお気軽にチェックしてください。
記事監修
代表取締役社長 小泉 領雄南
2011年にGMOペイメントゲートウェイ入社。2016年にGMOフィナンシャルゲート執行役員に就任し、2020年に上場。2021年、早稲田MBA在学中にコーチングに出会い、翌年メタメンター設立。2023年に国際コーチング連盟日本支部運営委員に就任。