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【論文まとめ】ROIはコーチングの成功を測るには不十分?より全体的なアプローチを提案

アカデミア

記事掲載日:2024年8月4日 
最終更新日:2024年9月7日

こんにちは、メタメンターのコーチングやウェルビーイングに関する研究論文を読んで、学術的に深く理解していこうという企画第九弾です。ROIはしばしばコーチングの効果を測るために使われますが、その限界と問題点を指摘し、より包括的な評価方法としてウェルビーイングとエンゲージメントのフレームワークを提案する研究を紹介します。コーチングの真の価値を理解するための新しい視点を提供します。

概要まとめ

  • イントロダクション
    • ROIはコーチングの効果を測るには不十分な指標。
    • ウェルビーイングとエンゲージメントの重要性。
    • 既存のROI研究の限界と問題点。
  • 研究内容
    • ROIの計算方法とその問題点。
    • ウェルビーイングとエンゲージメントのフレームワーク(WBEF)。
    • WBEFの適用例と効果的な評価方法。
  • 結論
    • ROIを超えた包括的な評価方法の必要性。
    • ウェルビーイングとエンゲージメントがもたらす広範な利益。
    • コーチングの真の価値を評価するための新たなアプローチ。

イントロダクション

ROI(投資収益率)は、多くの企業がコーチングの効果を評価するために使用する指標ですが、その限界が明らかになっています。ROIは主に財務的な利益に焦点を当てており、コーチングがもたらす広範な効果を十分に評価できないことが問題です。本記事では、ウェルビーイングとエンゲージメントを重視した包括的な評価方法を提案し、ROIの代替としてどのように活用できるかを探ります。

研究内容

ROIの計算方法とその問題点

ROIはコーチングの費用と得られた成果の財務的価値を基に計算されます。しかし、この方法には多くの問題があります。まず、ROIの計算には多くの主観的な要素が含まれており、正確な評価が難しい点です。また、財務的な利益だけに焦点を当てることで、コーチングがもたらす精神的な健康や職場でのエンゲージメントといった重要な効果を見逃す可能性があります。

ウェルビーイングとエンゲージメントのフレームワーク(WBEF)

WBEFは、ウェルビーイングとエンゲージメントの両方を評価することで、コーチングの効果をより包括的に捉えることができるフレームワークです。高いウェルビーイングと高いエンゲージメントを目指すことで、コーチングの真の価値を引き出すことができます。このフレームワークを使用することで、従業員の精神的な健康や職場での積極的な関与を促進し、組織全体のパフォーマンスを向上させることができます。

The well-being and engagement framework for assessing organisational coaching interventions. Note: The WBEF may be freely used for coaching and consulting practice and research provided that appropriate authorship acknowledgments are made. 

WBEFの適用例と効果的な評価方法

WBEFは、個人および組織レベルでの評価に適用できます。個人レベルでは、コーチングを受ける前後でのウェルビーイングとエンゲージメントの変化を測定することで、その効果を評価します。組織レベルでは、従業員全体のウェルビーイングとエンゲージメントの平均値を基に、組織全体の健康状態を評価します。このようにして、WBEFはコーチングの効果をより包括的かつ正確に評価するための有力なツールとなります。

結論

コーチングの効果を評価するためには、財務的な利益だけでなく、ウェルビーイングとエンゲージメントのような人間的な要素も考慮する必要があります。ROIはあくまで一つの指標に過ぎず、その限界を理解することが重要です。WBEFのようなフレームワークを活用することで、コーチングがもたらす広範な効果を評価し、組織全体のパフォーマンスを向上させることができます。コーチングの真の価値を理解し、最大限に活用するためには、包括的な評価方法を採用することが不可欠です。

参考文献

Grant, A. M. (2012). ROI is a poor measure of coaching success: towards a more holistic approach using a well-being and engagement framework. Coaching: An International Journal of Theory, Research and Practice, 1-12. doi:10.1080/17521882.2012.672438.

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記事監修

WELLBEING MAGAZINE編集部

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